著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

身近な薬が原因で起こる命に関わる副作用に要注意

公開日: 更新日:

 風邪薬や抗生物質、痛み止めなど、私たちが日常的に使う薬の中にも、まれに命に関わる重い副作用を起こすものがあります。

 そのひとつが「スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)」です。聞き慣れない名前ですが、発症すると高熱とともに、皮膚や粘膜がただれ、目・口・陰部などがひどく腫れたり水ぶくれができたりします。重症になると皮膚が広範囲にめくれ、失明や肺炎、後遺症を残すこともある非常に深刻な病気です。

 原因は詳しくはわかっていませんが、感染症や薬剤などがきっかけとなり、主として皮膚や粘膜に病変が起こると推測されています。薬剤として多いのは、解熱鎮痛薬、抗菌薬、抗てんかん薬などです。総合感冒薬(風邪薬)のような市販薬も原因になることがあります。また、健康な人が突然発症するケースもあり、注意が必要です。

 最初は「風邪のような発熱」や「目の充血」「口の中のただれ」など、軽い症状から始まるため見逃しがちですが、このような症状が見られたら、すぐに薬を中止して医療機関を受診することが大切です。特に「目・口・陰部の粘膜」に症状が出た場合にはSJSを疑います。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも